マイヤ・プリセツカヤ(カルメン)、ニコライ・ファデイェチェフ(ドン・ホセ)
セルゲイ・ラドチェンコ、ナターリア・カサートキナ、ほか
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)/ボリショイ劇場管弦楽団
録音:1969年、リージョン・オール、NTSC、62分、カラー、モノラル、4:3
VAI【アメリカ輸入盤】
ロシアの作曲家ロディオン・シチェドリン(1932-)は、モスクワ音楽院に入学し、ピアノをヤコブ・フリエール、作曲をユーリ・シャポーリンに学びました。バレエ界では知らぬ人がいない名プリマ、マヤ・プリセツカヤと結婚したことでも知られます。その妻からの依頼でビゼーの歌劇「カルメン」から何曲かを選り抜き、弦楽合奏と4群の打楽器のためのバレエ組曲としました。よく知られたギロー編曲の「カルメン」組曲に近い形態ですが、管楽器をまったく使用しないぶんパーカッションを大胆に活用することで、モダンかつカラフルな音楽になっているところがユニーク。旋律と和声はビゼーのままでも、それ以外はまったく異なるいっていい独創的なアレンジといえるでしょう。
この映像は、名プリマとして絶頂期であったプリセツカヤの素晴らしく美しいカルメンとニコライ・ファデイェチェフのドン・ホセが堪能できます。また、バレエの配役や振り付け、音楽も抜群で、ロジェストヴェンスキーとボリショイ劇場管弦楽団の色彩的でエネルギッシュな演奏も聴きもの。まさに元祖とも決定盤ともいえる貴重な映像です。なお、「カルメン組曲」はトータル45分程度で、ボーナストラックとしてグラズノフの「ライモンダ」からの情景、J・S・バッハの「前奏曲」の振付けバージョン、サン=サーンスの「瀕死の白鳥」からの情景が付いており、バレエ・ファン必見の内容となっています。
アメリカ輸入盤ですが、リージョン・オールなので国内のプレイヤーでも見ることができます。