1-4. ブラームス(1833-1897)/ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op. 40
5-8. シャルル・ケクラン(1867-1950)/4つの小品
9-11. ドン・バンクス(1923-1980)/ホルン三重奏曲
バリー・タックウェル(ホルン)、ブレントン・ラングバイン(ヴァイオリン)
モーリーン・ジョーンズ(ピアノ) 録音:1987年4月(デジタル)
TUDOR【スイス輸入盤】
ホルン奏者にとって最も重要なレパートリーの一つブラームスの「ホルン三重奏」に、フランス近代の作曲家ケクランの「4つの小品」、オーストラリアの作曲家バンクスの「ホルン三重奏」と、バラエティに富んだ内容です。ブラームスの「ホルン三重奏曲」は、タックウェルにしては表現意欲の強い演奏で、第2楽章と第4楽章は思い切りの良い表現でパワフルに攻め込んできます。しかし、第1楽章をはじめ穏やかな部分では、タックウェルらしい柔らかい音色と深みのある表現でじっくり聴かせてくれます。ケクランの「4つの小品」は、緩やかなテンポの静謐な楽曲で、ドビュッシーのような淡い色彩の移ろいがアンニュイな美しさを醸し出しており、タックウェルの繊細極まりない演奏はこの曲の決定的な名演といえるでしょう。ドン・バンクス(1923-1980)の「ホルン三重奏曲」は、今回演奏している3人のために作られた作品。無調的な響きや変則的なリズムは現代風の晦渋さを感じさせますが、基本的にはしっとりした落ち着きがあり、形式にとらわれない自由さがあります。演奏している3人は全員オーストラリア出身ということもあり、共感に満ちたこの演奏は唯一無二の貴重な録音です。