ドン・ギリス(1912-1978)：
1-3. 交響曲第１番「アメリカ交響曲」
4-6. 交響曲第２番「信仰の交響曲」
7-10. 交響曲第５-2/1番「楽しみのための交響曲」
イアン・ホブソン（指揮）／シンフォニア・ヴァルソヴィア 録音：2005年
ALBANY【アメリカ輸入盤】
ドン・ギリス、本名ドナルド・ユージン・ギリス(1912-1978)は、トスカニーニのＮＢＣ交響楽団の裏方として知られているでしょう。このオーケストラの後継であるザ・シンフォニー・オヴ・ジ・エアの指揮者として1955年に来日してもいます。作曲家のギリスとしては、５と1/2番と言う奇妙な番号付の交響曲が最も知られており、そのほかにもアイデア豊富でユーモアに富んだ曲をたくさん残しています。このアルバムはドン・ギリスの交響曲を集めた新録音で、最近ちょっとしたドン・ギリス・ブームなのか、交響曲第５-2/1番は当レーベル2種類目の録音となります。
ギリスは、聴き手が歌ったり弾いたりすることのできる旋律によって音楽を聴き手に届けることを目標としていました。ライト・クラシックの大家として知られ、これらの交響曲も肩肘はらず楽しめるエンターテインメント系交響曲となっています。第二次世界大戦の最中にアメリカの理想を示すことを目指して最初の３つの交響曲を作曲し、発売されるのはこれが世界初となります。「交響曲第１番」は「アメリカ交響曲」というサブタイトルどおり、伸び伸び明るく活発で、いかにもアメリカンな元気な交響曲です。「交響曲第２番」は「信仰の交響曲」というサブタイトルが示しているとおり、ややシリアスな内容で、クラシック音楽としてはむしろ穏当で、これも綺麗で聴きやすい音楽です。最後の「交響曲５1/2番」は、５番と６番の間に挟まってできた作品とされており、事実ちゃんと交響曲第５番も第６番もギリスは作曲しています。この曲はアーサー・フィードラーやトスカニーニが取り上げたので、初演当初からギリスの代表作として有名だったもの。グローフェやガーシュウィンにもかなり酷似したドン・ギリスの音楽は、古きよきアメリカを感じさせる底抜けに脳天気で楽しいので、ぜひ大音量で聴いて気分を爽快にしてみて下さい。録音も優秀でパワフルでゴージャスなオーケストラ・サウンドは特に素晴らしく、SACDハイブリッド仕様なので、通常のプレイヤーでもお楽しみいただけます。
薄型デジパック・ケースです。
