ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)／ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミートリー・ヤブロンスキー(チェロ)、ファルハド・バダルベイリ(ピアノ)
録音：2010年7月12-13日、ロンドン、カドガン・ホール
NAXOS【香港輸入盤】
2004年に新しくオープンしたコンサート・ホールであるカドガン・ホールは、もともと約100年前ほどに建てられた教会で、信者減少のためにイギリス国教会が放棄することを決定したところ、教会の音響の良さに感動したCadogan Estateという会社が買収することで蘇ったというものです。４年間の改装を経て生まれ変わったホールは、その響きの良さにロック・ミュージシャンやジャズ・バンドも魅了されているほどで、聴衆からも愛されているところです。ロイヤルフィルハーモニー管はここの常連であり、RPOレーベルからも一連のシリーズとして、このホールでの録音をリリースしています。
このラフマニノフのアルバムは、名手ヤブロンスキーの指揮を得て、ふっくらとした響きを持ちながらも、スマートな解釈によって、きりりと引き締まった現代的な表情をもっています。かつてアンドレ・プレヴィンやヴァーノン・ハンドリーなどが素晴らしい録音を残していますが、やはりロイヤル・フィルのゴージャスなサウンドがラフマニノフに良く合っています。ロマンチックな第３楽章は特に出色の出来映えでうっとり酔わせてくれます。「ヴォカリーズ」では、チェリストしても優秀なヤブロンスキー自身がチェロ・ソロを演奏するというサービスぶりも微笑ましいところです。オススメです。
