エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団 録音:1996,97年
RUSSIAN DISC【ロシア輸入盤】
3曲が3曲とも凄まじい演奏で、スヴェトラーノフの強烈な表現が全てプラスに働いたような圧倒的な名演ばかり。加えて録音が意外なほど良く、スヴェトラーノフのパワーと色彩感溢れる濃い表現がダイレクトに伝わってきます。かといってロシア一色というのではなく、スペインのムードも充分にあって、味付けのセンスもバランスもとてもいいのです。「恋は魔術師」の歌もかなり情緒たっぷりで迫力があって、アンセルメ盤と比肩してもおかしくないほど優秀な演奏。本当に驚いてしまいました。
ラヴェルもムチャクチャ濃密で、各シーンの描き分けが見事。この曲はフランス風にきれいに仕上げてしまっては、ここまで面白くはなりません。最後の「祭り」はもちろん激しくて迫力満点ですが、「夜への前奏曲」や「マラゲーニャ」もとことんスペイン風のこってりした演奏です。ドビュッシーの「イベリア」も同様にスヴェトラーノフの体臭ムンムンの濃厚な表現が見事にツボにはまっています。スヴェトラーノフという指揮者の真価をまだご存じない方、ぜひこのデイスクだけでも聴いてみては?