1.フィリップ・ファールバッハ(1815-1885)/シュランメル編/流体ギャロップ
2.ヨハン・シュランメル(1850-1893)/ウィーンのホイリゲ舞曲
3.ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899)/ヴァッサーフォーゲル編/愛の歌(ワルツ)
4.レオポルト・ケーニヒシュテッター/シュランメル編/アルトレングバッハの思い出(ワルツ)
5.ヨハン・シュトラウス2世/ヴァッサーフォーゲル編/ツェッペアル=ポルカ
6.ヨゼフ・ランナー(1801-1843)/ランナー&ドラハネク編/新ウィーン・レントラー
7.アレクサンダー・カッツェンベルガー/ヴァッサーフォーゲル編/ハロー・ダ・サン・マ・ムンター[Halloh da san ma munter]
8.ヨハン・シュランメル/おしゃべり(フランス風ポルカ)
9.ヨハン・シュムッツァー/シュムッツァー舞曲
10.ヨゼフ・ランナー/ペストのワルツ Op.93
11.ヨハン・シュランメル/音楽による色彩の戯れ(楽曲)
12.カール・ミヒャエル・ツィーラー(1843-1922)/ヨゼフ・シュランメル(1852-1895)編/ランデヴー(フランス風ポルカ)
フィルハルモニア=シュランメルン・ウィーン
マルティン・クービク、アンドレアス・グロスバウアー(ヴァイオリン(*))
ハインツ・フロマーダ(コントラギター(+))、ハンネス・モーダー(ハイG・クラリネット(#))
ギュンター・ハウマー(ボタン式アコーディオン(**)
録音:2008年2月28日-3月1日、古楽器博物館
使用楽器:
1883年頃、ウィーン、カール・ツァッハ製(inv.no.SAM 1087 & 1089)(*)
20世紀初頭、ウィーン、ヨゼフ・スウォジル製(+)
20世紀終盤、ドイツ、ヘルベルト・ヴュルリツァー/フランク・ハマーシュミット製(#)
1904年、ウィーン、カール・ブドヴィツ製(**)
PALADINO MUSIC【オーストリア輸入盤】
19世紀末、ウィーンのサロンで一世を風靡した兄弟ヴァイオリニスト、ヨハン&ヨゼフ・シュランメル。1879年、彼らはコントラギター(通常の6弦の他に長い開放弦を張って低音を出せるようにしたツイン・ネックのギター)のアントン・シュトローマイヤーを加えた三重奏団を結成、1884年にクラリネット(甘美な高音域を奏でるハイ・クラリネット)のゲオルク・デンツァーを迎え四重奏団に改めました。ウィーンのヴァイオリン製作家カール・ツァッハ(Carl Zach;1859-1918)がシュランメル兄弟に楽器を贈呈したのはおそらく1883年か1884年。これらのヴァイオリンにはヘッド部分に兄弟各々の頭部像が彫られ、本体側面には「名手ヨハン(ヨゼフ)・シュランメル氏に献呈、カール・ツァッハ、ウィーン」と金文字で描かれていますが、聴衆から見えるのは「カール・ツァッハ、ウィーン」の側であることから、これはツァッハが宣伝のために製作し贈呈したものと考えられています。シュランメル兄弟は演奏活動を終えるまでこれらのヴァイオリンを使い続けました。
シュランメルの専門家フィルハルモニア=シュランメルン・ウィーンがウィーン・オリジナルの楽器、編成、ピッチ(a1=465Hz)で演奏したこのアルバムは、資料的意義にとどまらず、大いに楽しめるものとなっています。オススメです。