フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)：
1. 皇帝賛歌
2. 皇帝賛歌「神よ、皇帝フランツを守りたまえ」による変奏曲
3. ピアノ･ソナタ第２番より第１楽章
4. だれでもが思う、自分が選んだ人はと
5. ピアノ･ソナタ第13番より第２楽章
6. キューピッド
7. ピアノ･ソナタ第２番より第２楽章
8. 見捨てられた女
9. 田舎の楽しみ
10. ピアノのためのアダージョ
11. 小さな家
12. ピアノ・トリオ第22番より第２楽章「アダージョ」
13. ピアノのための主題と６つの変奏
14. ピアノ版「十字架上の最後の７つの言葉」よりソナタ第２番「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしとともに楽園にいる」
15. 宗教的な歌
16. ピアノ版「十字架上の最後の７つの言葉」よりソナタ第６番「成し遂げられた」
17. すこぶる平凡な話
18. ピアノ･ソナタ第13番より第１楽章
19. この世で何も得ようとは思わない
フランツ・ツェビンガー（フォルテピアノ）、バルバラ・フィンク（ソプラノ）
使用楽器：アイゼンシュタット・ハイドン博物館所蔵の楽器、ローラウのハイドンの生家にある楽器
録音：2002年9月
ＯＲＦ（オーストリア放送協会）【オーストリア輸入盤】
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)といえば、「交響曲の父」、「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれる古典派を代表する作曲家。このアルバムは、ハイドンの生地ローラウと、ハイドンが30年にわたって仕えていたエステルハージ家のお膝元アイゼンシュタットのハイドン博物館に所蔵されている２台のフォルテピアノを用いて、ハイドンのピアノ小品と歌曲を演奏した興味深い録音です。どちらもハイドンが所有したものかどうか明確ではないものの、状態も調整も非常に良好な楽器らしく、高雅な美しい音色を優秀な録音で楽しむことができます。
また選曲とプログラミングが良く、人々から慕われていた作曲家ハイドンの人間味とユーモアにあふれた愛すべき性格をストレートに感じ取ることかができます。オーストリア＝ハンガリー帝国の国歌で現在のドイツ国歌でもある有名な「皇帝讃歌」とそれにちなんだピアノ曲「神よ、皇帝フランツを守りたまえ」による変奏曲に始まり、比較的珍しいドイツ語による愛くるしい歌曲とクラヴィーアのための初期のソナタや可愛らしい小品の組み合わせは、ハイドンの私宅に招かれたようなリラックスした心地にさせてくれます。フォルテピアノのツェビンガーの端正な演奏やソプラノのバルバラ・フィンクの清澄な歌も素晴らしく、伸びやかでくつろいだハイドンの世界にどっぷり浸れる一枚です。ハイドン・ファンには絶対にオススメ。
