ヨハン・デ・メイ(1953-)：
ＣＤ１：
1-5.交響曲第１番「指輪物語」
第１楽章 魔法使いガンダルフ
第２楽章 エルフの森ロスローリエン
第３楽章 ゴクリ（スメアゴル）
第４楽章 暗闇の旅（モリアの坑道 - カザド＝ドゥムの橋）
第５楽章 ホビット
6-8. 交響曲第２番 「ビッグアップル」
第１楽章 スカイライン
インターリュード - タイムズ・スクウェア・カデンツァ
第２楽章 ゴーサム
ＣＤ２：
1-3. 交響曲第３番 「プラネット・アース」（合唱と吹奏楽版）
第１楽章 ロンリー・プラネット（孤独な惑星）
第２楽章 プラネット・アース（惑星地球）
第３楽章 マザー・アース（母なる地球）
ハーラン・Ｄ・パーカー（指揮） ／ピーボディ音楽院ウィンド・アンサンブル、ピーボディ児童合唱団
録音：2009年12月10日(CD1:1-5)、1998年4月9-10(CD1:6-8)、2011年4月6-8日(CD2)
NAXOS【香港輸入盤】
イギリスの作家ジョン・Ｒ・Ｒ・トールキンのファンタジー小説「指輪物語」といえば、映画が大ヒットしたことで知られています。これを題材に1984年から1987年にかけて作曲された吹奏楽作品「交響曲第１番」は、オランダの作曲家デ･メイ(1953-)の最初の本格的な作品であり、現在でも吹奏楽愛好家の中でとりわけ人気の高い作品として知られています。この作品によりデ･メイは1989年にサドラー国際吹奏楽作曲賞を受賞し、華々しいデビューを飾りました。曲は５人の登場人物にそれぞれ楽章が充てられており（楽章の順序は原作と異なる）、各場面を彷彿させる魅力的で表現的な音楽が付けられています。壮大なる「悪と善」の対立と、あくなき探究心が反映された劇的な音楽で、中でも第１楽章「魔法使いガンダルフ」は聴いているだけでもワクワクするほどスリリング。
対する「第２番」はニューヨークに捧げる頌歌であり、アメリカへのオマージュです。「ビッグ・アップル」とはニューヨークの愛称で、サブタイトルに「ニューヨーク交響曲」と付けられています。コープランドやバーンスタインの影響を感じさせながらも、映画音楽風のゴージャスさも兼ね備えています。第１楽章と第２楽章の間には、効果音として作曲者自身が1993年9月にニューヨークで収録した街頭や地下鉄など街の喧噪の録音とピアノ、タムタムによる「タイムズ・スクエア・カデンツァ」が演奏されます。
「交響曲第３番」は地球全体への賛歌であり、奇跡的な美しさを讃えた見事な叙事詩です。美しい女声合唱を含む大規模な編成のこの作品は、壮大なエネルギーを放つ人類と大地を包みこむ大讃歌です。2006年3月にオランダにてオーケストラ版が初演され、各メディアから大絶賛を受けました。その後すぐに吹奏楽版も発表され、世界中で演奏されるようになりました。聴き所は各楽章の始めに表される彗星がめぐるシーン。そして第３楽章の最後でこれでもかと続く金管楽器のフォルテシモと『すべての母、地球よ、あなたを讃える！』というホメロスの言葉で締めくくられる生命への讃歌。
アメリカのピーボディ音楽院ウィンド･アンサンブルは、メリーランド州ボルティモアに本拠地を置くジョンズ・ホプキンズ大学ピーボディ音楽院の名門ウィンド・アンサンブル。このヨハン・デ・メイのアルバムで大いに注目を集め、NAXOSレーベルからもすでに何枚もアルバムをリリースしています。
