エクトル・ベルリオーズ(1803-1869):
1. 序曲「海賊」 Op.21
2-9. 幻想交響曲 Op.14
10. 幻想交響曲 Op.14より第2楽章「舞踏会」(コルネット・オブリガート付きバージョン)
レナード・スラットキン(指揮)/フランス国立リヨン管弦楽団
録音:2011年8月31日、9月1日、フランス、リヨン、オーディトリウム
NAXOS【香港輸入盤】
準・メルクルが任期を終えたリヨン国立管弦楽団が、2011年のシーズンからの音楽監督として迎えたのは、1944年生まれのアメリカのベテラン指揮者レナード・スラットキンでした。レパートリーの広さは幅広く、何よりアメリカ音楽を得意としているスラットキンは、既にNAXOSにも数多くの録音がありますが、今後はまた違った世界を切り開いていくことは間違いないでしょう。スラットキン&リヨン管弦楽団の記念すべき第1作目は、ベルリオーズ(1803-1869)の「幻想交響曲」というフランスを代表する名曲で、上品で優雅な演奏を聴かせてくれます。何より注目したいのは、第2楽章に2つのヴァージョンが用意されていること。通常版でも充分面白いのですが、なんといっても「コルネット・オブリガート付き」のバージョンが凄いことになっています。ベルリオーズが当時のコルネットの名手ジャン=バティスト・アルバンにせがまれて書き加えたとされるコルネット・パートですが、結局最終稿には採用されることのなかった華やかなオブリガードです。ベルリオーズ・ファンならずとも興味深いアルバムです。