1. 外山雄三(1931-)/管弦楽のためのラプソディ(1960)
2. 近衛秀麿(編)(1898-1973)/越天楽(1931)
3-4. 伊福部昭(1914-2006)/日本狂詩曲(1935)~夜曲、祭
5-6. 芥川也寸志(1925-1989)/交響管弦楽のための音楽(1950)
7. 小山清茂(1914-2009)/管弦楽のための木挽歌(1957)
8. 吉松隆(1953-)/朱鷺に寄せる哀歌 Op.12(1980)
沼尻竜典(指揮)/東京都交響楽団
川本嘉子(ヴィオラ)、古川展生(チェロ)、金崎美和子(ピアノ)
録音:2000年7月、東京芸術劇場
NAXOS【香港輸入盤】
世界へアピールできるクオリティを持ちながら、その存在を本格的に誇示し得なかった日本の管弦楽曲が、まるで"逆・黒船"とでも言うべき使命感をもって海外へと紹介されたアルバム。民衆のエネルギー、宮廷の典雅さ、細密の美学、叙情と哀愁の織りなす感興などを、アイデアに満ちたオーケストレーションで昇華。日本における民族主義をテーマに、あらためて20世紀音楽史の中における日本の存在を問いかける一枚です。
雅楽の曲のなかで最も有名な「越天楽」、日本の有名な民謡が素材となっている「管弦楽のためのラプソディ」は、クラシックにあまり馴染みがないという方でも、必ずや耳にしたことがあるでしょう。また、音楽の時間などに「管弦楽のための木挽歌」を鑑賞して強い印象を受けたという方もたくさんいらっしゃるでしょう。さらに、「ゴジラ」の音楽で有名な伊福部昭の「日本狂詩曲」や芥川龍之介の息子である芥川也寸志の「交響管弦楽のための音楽」は、シンプルながらとても情熱的で、初めて聴く方は日本にもこんな格好いいクラシック作品があったのかと驚かれるはず。最後の「朱鷺に寄せる哀歌」は、世界的に活躍している吉松隆の出世作。気恥ずかしいほど日本的な音楽ばかりですが、時にはこんなCDを聴いて日本人魂を呼び覚ますのもいいかも知れません。オススメです。日本語解説付き。