カルロス・クライバー（指揮）／バイエルン国立管弦楽団、同合唱団
イレアナ・コトルバス(Sp)、ジャコモ・アラガル(T)、ヴォルフガング・ブレンデル(Br)他ほか
録音：1975年4月（ライヴ，モノラル）
MEMORIES【イタリア輸入盤】
生前からすでに伝説になっていた名指揮者カルロス・クライバーの「椿姫」の初出音源。それも最も保守的な演出家として知られるオットー・シェンクが演出初演した1975年4月のライヴで、恐らく初日4月26日のライヴと思われます。冒頭から観客の期待は凄まじく、歌手の登場にもいちいち歓声拍手が飛びます。何よりも主演コトルバスが絶好調で、これが人間のなせる業かと信じがたい程の完璧な歌唱により、幸福から絶望を豊かに表現しています。また、青白きインテリであるジェルモンのアラガルも煮え切らない男性像を見事に表現しており、ブレンデルの重厚な歌唱もブルゾンに負けていません。Ｃ・クライバーも非常にノリが良く、極端なほどの感情表現で迫る凄まじい演奏です。ただ、モノラル録音であり、決して良好な音質とはいえません。
