1. デイヴィッド・グリーンバーグ(1965-)＆テリー・マッケンナ／ジョイ・ゴー・ウィズ・マイ・ラヴ
2. グリーンバーグ／ハイランド・ウォッチ
3. ジェームズ・オズワルド(1710-1769)／グリーンバーグ＆マッケンナ編／聖マーチン教会の庭
4. アーチボルド・アレクサンダー・マッケンジー／マッケンナ＆コーン編／さすらい人の帰還
5. 伝承曲／グリーンバーグ＆ダンレイ編／ネザー・ボウ
6. 伝承曲／グリーンバーグ＆ダンレイ編／ジョニー・ファー
7-9. ロバート・マッキントッシュ(1745-1807)／マッキントッシュ・ソナタ
10. グリーンバーグ＆ロガン・コーン／ロガン・ウォーター
11. グリーンバーグ＆ダンレイ／タロッホゴラム
12. ポール・クランフォード／グリーンバーグ＆マッケンナ編／セント・ポール島の思い出
13. 伝承曲／Ｊ・オズワルド編／２つのシープ・スキン
14. グリーンバーグ＆ロガン・コーン／The Haughs of Cromdale
15. クリスティーナ・ファーガソン／コーン＆サンドール編／ウィリアム・チソルムのための哀歌
16. グリーンバーグ／森の花
17. グリーンバーグ＆マッケンナ／さすらい人の帰還（Ａ・Ａ・マッケンジーにちなんで）
プール・ア・バロック 録音：1998年
デイヴィッド・グリーンバーグ（バロック＆モダン・ヴァイオリン）
ステファニー・コーン（ヴォーカル＆パーカッション）
テリー・マッケンナ（バロック＆金属弦のギター、リュート、マンドリン）
デイヴィッド・サンドール（ハープシコード）
〔スペシャル・ゲスト〕
アビー・ニュートン（チェロ）、カーリー・ボーイ（ギター）、ケイト・ダンレイ（ヴァイオリン）ほか
MARQUIS【カナダ輸入盤】
デイヴィッド・グリーンバーグ率いるカナダのバロック・アンサンブル「プール・ア・バロック」の愉しいアルバム。グリーンバークはカナダの最も優れたバロック・ヴァイオリン奏者で、フィドルの名人としても知られています。1994年に「プール・ア・バロック」という古楽器アンサンブルを創設し、再創造ともいえる大胆かつ斬新なバロック音楽演奏をしています。
この「さすらい人の帰還」というアルバムでも、グリーンバーグは中世のケルト民謡やーチボルド・アレクサンダー・マッケンジーやジェームズ・オズワルド、ロバート・マッキントッシュといったスコットランドのバロック期の作曲家たちの作品を自在に用いて、新たに音楽を編曲・再構成しています。ケルトとバロックの融合というべきその音楽は、見事にバロック風でありながら、妙に懐かしく郷愁をそそるもので、非常に面白いものです。「ヴァイオリンは歌う、しかしフィドルは踊る」と言われるように、ケルト風の舞曲のリズムの高揚感は素晴らしく、火のついたように細かいパッセージを演奏しまくるアーティストもノリノリです。さらにステファニー・コーンのヴォーカルも切ない情感がこもっており、ギターやハープシコード、リュートも達者で雄弁です。ありきたりのバロック音楽とは一線を画す新たな音楽と出会えること請け合いです。オススメです。
