1. ショーソン／ソプラノ、弦楽四重奏とピアノのための「終わりなき歌」Op.37
2. ルクー／３つの詩曲～第３番「夜想曲」（ソプラノ、弦楽四重奏とピアノのための）
3-6. ラヴェル／弦楽四重奏曲 ヘ長調
7-15. フォーレ／ソプラノ、弦楽四重奏とピアノのための歌曲集「優しい歌」Op.61
フェレナ・ライン（ソプラノ）、チュルリョーニス・カルテット、セルゲイ・オクルスコ（ピアノ）
録音：2005年10月17,19日
DREYER-GAIDO【ドイツ輸入盤】
フランス近代のソプラノと弦楽四重奏のための作品を集めた好企画。ラヴェルの弦楽四重奏曲を除いては、ご存じの方が少ない珍しい作品ながら、一度その魅力を知ったら熱烈に愛好してしまうであろう珠玉の作品です。特にショーソンの「終わりなき歌」とルクーの「夜想曲」は抒情性に富んだ非常に美しい音楽。「終わりなき歌」は、ショーソンの白鳥の歌となった名作。去っていった恋人を想う終わりなき悲しみを、ソプラノが情感を込めて切々と歌うもので、伴奏のピアノと弦楽四重奏が夢のようにはかない世界を描きます。ルクーの「夜想曲」は、自作の詩に付けられた美しい音楽で、わずか24歳という若さで亡くなってしまったルクーの天才ぶりが窺えます。フォーレの「優しい歌」は、ヴェルレーヌの詩を基にした９曲からなる歌曲で、フォーレ自身が「優しい歌」ほど自発的に書けた作品はなかったと後年に述べているほど、恋の喜びを直接表現している伸びやかな音楽です。もともとはピアノ伴奏の作品ながら、後にフォーレ自身により弦楽四重奏を加えた版が作られました。実際にこのバージョンが演奏・録音される機会は少なく、当アルバムも珍しい音源の１つになります。いずれの作品においても、ソプラノのフェレナ・ラインを前面に立て、伴奏は決して出しゃばらないという好ましいバランスを保っています。その分チュルリョーニスＳＱは、ラヴェルの弦楽四重奏で思い切りの良い爽やかな演奏をしています。
