ゲオルク・フィリップ・テレマン（1681-1867）：
1-4. ２つのコルノ・ダ・カッチャ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ヘ長調(+)
5-8. ２つのシャリュモー、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ニ短調(++)
9-12. ヴァイオリン独奏、２つのヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲 ト長調(*)
13-16. リコーダー、ファゴット、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ヘ長調(#/**)
17-20. フラウト・トラヴェルソ、リコーダー、弦楽と通奏低音のための協奏曲 ホ短調(#/##)
アッカデーミア・ヘルマンス／ファビオ・チオフィーニ（チェンバロ、指揮）
エンリコ・ガッティ（ヴァイオリン(*)）、ルーカ・ルケッタ、ロッコ・カルボナーラ（シャリュモー(++)）
マルコ・ヴェントゥーリ、クラウディア・クオンダム・アンジェロ（コルノ・ダ・カッチャ(+)）
オンノ・フェルスホール（リコーダー(#)）、エレーナ・ビアンキ（ファゴット(**)）
ファビオ・チェッカレッリ（フラウト・トラヴェルソ(##)）
録音：2007年7月5-7日、テルニ県フェレンティッロ、ヴァッレ、聖ピエトロ修道院
BOTTEGA DISCANTIA【イタリア輸入盤】
ファビオ・チオフィーニによって2000年に創設されたイタリアのピリオド楽器オーケストラが「アッカデーミア・ヘルマンス」。日本ではその演奏が紹介されることがあまり無かったため、知名度はさほどではありませんでしたが、2006年、チオフィーニと意気投合したエンリコ・ガッティ（！）がファースト・ヴァイオリニスト（ソリスト兼コンサートマスター）に就任することで、一気に注目されるようになりました。ガッティはヴィオリーノ・ダ・スパッラも担当しており、当アルバムでも弾いているとのこと。
このテレマンの協奏曲集のアルバムは、おそらくほとんどの日本人にとってアッカデーミア・ヘルマンスを初めて聴く機会となると思われますが、その鮮烈かつ颯爽とした演奏ぶりに期待以上の喜びを感じていただけることでしょう。ピリオド楽器の独特の音色をこれほどありのままに発揮した演奏も珍しく、１曲目の「コルノ・ダ・カッチャ（狩猟ホルン）」や２曲目の「シャリュモー（クラリネットの原型）」、３曲目の「ファゴット」の野趣にあふれた響きは非常に新鮮で印象的。それに似合わぬ流暢な演奏ぶりも見事です。ピリオド楽器にありがちな鋭く尖った表現に終始した演奏ではなく、自由でのびのびした表現の中にもきちんとした統制を感じさせ、バロックの高雅なムードたっぷりのセンスの良い演奏ぶりは脱帽ものです。バロック音楽ファン、ガッティ・ファン注目のアルバムです。かなりのオススメです。
