カルロス・パイタ(指揮)/フィルハーモニック交響楽団
録音年月日不詳(ライヴ)
LODIA【スイス輸入盤】
カルロス・パイタはアルゼンチン出身の指揮者で、フルトヴェングラーに深く傾倒し指揮者を志しました。アメリカに留学した際にはロジンスキに師事、アルゼンチンに帰国後はオペラ指揮者として活動、英Decca で録音した「ワーグナー:管弦楽曲集」はフランスACC ディスク大賞を受賞しています。もともと資産家であるため生活の心配をすることなく自分の好きなレパートリーだけを演奏・録音しており、1980 年代に自ら立ち上げたLODIA レーベルではやりたい放題の熱演、奇演、爆演(?)を聴くことができます。いまの時代にこれほど破天荒で自由奔放な指揮者はいないため、一聴に値します。
この冒頭のブルックナー開始の神秘的な原始霧は鳥肌もの。そしてクライマックスへの恍惚とした道程には時々、指揮者の妙なうめき声まで入って笑えるやら、感動するやら。滅多にお目にかかれない爆演であることは間違いありません。熱狂的なパイタ・ファンにお奨めです。演奏は大変すばらしいのですが、惜しむらくは、マスター・テープの管理が悪いのか、音質に歪みと妙なこもりがあります。録音データも不明。購入にあたっては予めご承知おき下さい。