ハリー・クリストファーズ(指揮)/シックスティーン、ザ・シンフォニー・オヴ・ハーモニー&インヴェンション
録音:1993年(デジタル)
CORO【イギリス輸入盤】
「エジプトのイスラエル人」は、隷属状態のイスラエル人を解放し、彼らを率いてエジプトを脱出するモーセの話を描いた「出エジプト記」を題材としているだけに、数々の災いや奇跡が描写的な合唱と管弦楽で劇的に表現されています。「メサイア」に次いで演奏される機会の多い傑作で、ヘンデルのオラトリオの中で最も合唱の比重が大きいため、イギリスの古楽合唱団の中でも合唱の声の輝きと圧倒的な迫力を持つシックスティーンによる演奏は、「エジプトのイスラエル人」の決定盤といわれています。シックスティーンを率いるハリー・クリストファーズとその手兵シンフォニー・オヴ・ハーモニー&インヴェンションによる伴奏も、きわめて快活で小気味のよいもの。ティンパニや金管が大活躍する管弦楽の迫真の描写も見事です。長丁場のオラトリオですが、ドラマの起伏に合わせて、時には崇高かつ清澄に、時には荒々しくドラマチックに音楽を作っていくクリストファーズの腕前は称賛に値します。
ハリー・クリストファーズは1953年英国生まれの指揮者。オックスフォード大学で古典学と音楽を専攻し、バーナード・ローズとデイヴィッド・ウルスタンに師事し、卒業後には歌手としてウェストミンスター・アビ