ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098-1179)：
１．おお祝福された幼子
２．鳩が見つめた
３．おお最も高貴な活力
４．おお聖なる軍隊よ
５．おお緑に輝く若枝よ
６．いまわれらに開かれたり
７．O Euchari
８．おお最も強い獅子の継承者たちよ
９．器楽曲
10．O Bonifaci
11．純潔（鳩）の鏡
12．まことの都市の高僧よ
13．おお驚くべき奇跡
14．おお豊かな実りをもたらす根よ
15．神の恵みによる聖人マタイ
スティーヴィー・ウィッシャート（指揮，ハーディ＝ガーディ）／シンフォニー
リチャード・ヴェンドーム（オルガン） 録音：2004年
CELESTIAL HARMONIES【アメリカ輸入盤】
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン（1098-1179）は、中世ドイツのベネディクト会系女子修道院長。日本でいえば平安時代の人物ですが、ドイツ中世文化史では最も重要な女性とされ、史上初の女性作曲家ともいわれています。たいへんな賢女であったらしく、神学者としても作家としても多大な功績を残し、薬草学の祖ともされています。彼女が作った宗教曲は現在77曲残っていますが、彼女は超自然的実在を幻視するという特別な能力を持っていたとされ、天の声に導かれて様々な旋律や著作を生み出したといわれます。ちょっとオカルト的な存在の作曲家ではありますが、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの音楽は神秘的な印象を与える、不思議な魅力を持っており、最近ではヒーリング効果があると人気を呼んでいます。実際にこのアルバムを聴いてもらえれば、夢見るような陶酔感を味わっていただけることでしょう。シンプルながら伸びやかで優美なメロディー、歌手たち（すべて女性）の美しい声を聴いていると、中世にトリップするような感覚に陥ります。ときおり加えられるシンフォニア（小型の箱型のハーディ＝ガーディ）やオルガンの素朴な音色が中世らしいムードをかき立て、瞑想的なドローン（通奏音）がトリップ効果をもたらします。特にこのアルバムでは器楽が活躍し、ハーディ＝ガーディ・ソロの器楽曲もインパクトがあります。演奏・録音ともに非常に優れており、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンがお好きな方には必携のアルバムです。ラテン語と英語の歌詞も付いています。
