ヨゼフ・ハイドン(1732-1809)：
１～７．スコットランド歌曲選集
（ボニー・ブルケット・ラッシー/私の心はスコットランド高地に/おお、おまえはクッションを縫えるかい/ホワイト・コッケード（白バラ）ほか）
８～10．イギリスのカンツォネッタ（人魚の歌/羊飼いの歌/船乗りの歌）
11．「天地創造」から天使ガブリエリのレチタティーヴォとアリア
12．カンタータ「ナクソスのアリアンナ」
キャサリン・ボット(ソプラノ)、メルヴィン・タン（フォルテピアノ）、アリソン・ベリー(Vn)
リサ・ベズノシウク(Fl)、アンソニー・フリース(Vc)、フランセス・ケリー(Harp)
録音：1985年（ステレオ録音）
MERIDIAN【イギリス輸入盤】
1791年から1804年まで、ハイドンは400を超えるスコットランドとウェールズの民謡を編曲しました。ここで演奏されている「スコットランド歌曲選集」は、ロンドンのウィリアム・ネイピアによって委嘱され出版された曲集から選ばれた歌曲。伴奏楽器の選択は演奏者の裁量に任せるとされており、ここではヴァイオリンやフォルテピアノをはじめ古楽器による素朴で温かな響きの心地よい演奏になっています。ソプラノのキャサリン・ボットの声も素朴でちょっと野性味があり、曲調に相応しいといえるでしょう。比較的有名な「私の心はスコットランド高地に」や「ホワイト・コッケード（白バラ）」をはじめ、スコットランドの風景を連想させる情趣豊かな歌、そこに住む人々の喧噪を思わせるイキイキした歌など、まるで映画「ロード・オブ・ザ・リング」のホビットの村のような愉しさにあふれています。
一方、演奏機会の多いカンタータ「ナクソスのアリアンナ」は、オペラのレチタティーヴォとアリアを聴いているかのような宗教色のないソロ・カンタータで、英語版になっています。キャサリン・ボットの声は決して美しいものではありませんが、名手メルヴィン・タンによるフォルテピアノ伴奏は極めて雄弁です。
