ゾルタン・コチシュ(指揮)/ハンガリー国立フィル、ジュリア・ハイノツィ(ソプラノ) 録音:2001年,2002年
BMC(ブダペスト・ミュージック・センター)【ドイツ輸入盤】

コチシュは、ピアニストとしてはもはや説明が不要なほど世に知られています。しかし、ここでは指揮者としてのご紹介。考えてみれば、ハンガリーの同世代のA・フィッシャーとI・フィッシャーも指揮者として、近年ますます進化を遂げ、数々の素晴らしい演奏で注目されるようになっているので、コチシュも同様の道を目指してもさほどおかしくはありません。ゾルタン・コチシュは、1997年にハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団の音楽総監督に就任しましたが、あまりディスクをリリースしてなかったのか、これまであまり注目されていませんでした(今もそれほど変わっていないかも)。しかし!この演奏を聴いて「これからはコチシュの時代がくる!」と叫びたくなるほど、圧倒的な感銘を受けました。どこをとっても音楽的な表現と熱い共感で埋め尽くされている感じ。また、まるで一夜のコンサートのように自然でかつ凝ったプログラムも実に素晴らしいもの。
1曲目は珍しいドホナーニの「祝典序曲」。これが実に優れた演奏で、スラヴ的な民謡性と近代的な管弦楽法が合わさった魅力的な曲だとハッキリ理解させてくれます。まるで都会的なドボルザークのような味わいで、初めて聴いたのにもう口ずさめるほど親しみやすいもの。2曲目はコチシュが編曲したドビュッシーの「7つの歌」。ドビュッシー作品のごった煮ではあるけれど、ソプラノのハイノツィの透明な歌声がとても魅力的。そして、それ以上にコチシュの作り出す神秘的で奥深い響きがあまりにも素敵で、何回も何回も繰り返して聴いてしまったほど。皆さん御存知の曲が出てくれば、ついほくそ笑んでしまうことでしょう。最後のラフマニノフは圧倒的。この曲の真価はこの演奏を聴いてから語るべし。この曲の面目を一新させるような、歌にあふれた心温まる演奏です。一押しの隠れ名盤です。特にラフマニノフのファンは必聴です!
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