アルパード・ヨー(指揮)/フィルハーモニア管弦楽団 録音:1984年
ARTS【ドイツ輸入盤】
アルパード・ヨーはハンガリーの指揮者で、名前こそさほど売れていないものの、実は隠れた名指揮者。録音数もそれなりにあり、お国もののリストやコダーイなどは高い評価を受けています。このR・シュトラウスは、美しい音色を持つフィルハーモニア管を活かしつつ、細部まで丁寧に歌い上げた演奏。ただし、ネットリした濃厚な歌わせ方ではなく、むしろ抒情的なロマンがほのか香る程度の淡泊な歌わせ方が特徴です。スッキリと整頓されたサウンドも指揮者のセンスの良さが表れており、R・シュトラウスはちょっとうるさくて苦手という方にはオススメです。「英雄の生涯」での名手クリストファー・ウォーレン=グリーンのヴァイオリン・ソロが素晴らしく、「薔薇の騎士」のホルンなどフィルハーモニア管の各奏者の上手さも特筆に価します。ただ、録音レベルが低いせいか、ややこもった音質に感じられるのが惜しいところです。