1-3. タイユフェール(1892-1983)/ヴァイオリンのためのソナチネ
4-6. オネゲル(1892-1955)/クラリネット・ソナチネ H.42
7-9. ルイ・デュレ(1888-1979)/フルート・ソナチネ Op.25
10-12. ミヨー(1892-1974)/春第1番 Op.25
13-15. ミヨー/春第2番 Op.66
16-19. オーリック(1899-1983)/印象1、2、3、5
20-44. プーランク(1899-1963)/城への招待 FP.138
ジェラール・プーレ(ヴァイオリン)、クリスチャン・イヴァルディ(ピアノ)
ミシェル・ルティエク(クラリネット)、フィリップ・ベルノルド(フルート)
アラン・ムニエ(チェロ)
録音:2000年、2004年
ARION【フランス輸入盤】
20世紀前半フランスで活躍した「6人組」と呼ばれる作曲家たちの室内楽を集めた多彩なアルバム。フランス六人組の紅一点、タイユフェール(1892-1983)は、ジャン・コクトーから「耳のローランサン」と呼ばれただそうですが、まさしく彼女の音楽は女性らしい優しさや色彩感の豊かさにあふれています。2度の結婚と離婚をした彼女でしたが、作品数は意外に多く、他の女性作曲家とともに近年再評価が進んでいます。ルイ・デュレ(1888-1979)は、ラヴェルを尊敬していたため6人組から離れ、独自の道を歩みました。共産主義の理想と民衆の音楽への愛にあふれる歌曲や合唱曲を数多く作曲しましたが、「フルート・ソナチネ」は取り上げられることの少ない作品です。まさにラヴェルやドビュッシーの延長線上にある印象主義的な美しい音楽。多作家で知られるダリウス・ミヨー(1892-1974)の2つの「春」はピアノ・ソロ作品で、春らしいキラキラした音楽はどなたでも心地よく感じられるでしょう。
反対に、映画音楽で人気を博したオーリックやオネゲルの作品は、やや晦渋で硬派なところが面白いところ。交響的詩篇「ダヴィデ王」や劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」、5つの交響曲などで有名なオネゲル(1892-1955)の「クラリネット・ソナチネ」は、当時パリで流行っていたジャズの影響を受けているユニークな音楽です。 オーリック(1899-1983)の「印象」は、フルートとピアノ、チェロとピアノ、クラリネットとピアノ、ピアノ・ソロとそれぞれ編成の違う曲集です。映画音楽とは全く異なる、現代的かつ先鋭な音楽に驚かされます。
また、このアルバムのメインは、プーランク(1899-1963)の「城への招待」です。この作品は、フランスの劇作家ジャン・アヌイの戯曲のために書かれた劇付随音楽で、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノといった小編成のための短い曲(最も長くて1分半、短いものは10秒そこそこのブリッジ)を23曲付けています。ミニチュア的な小曲の連続ながら、プーランクらしい軽快で洒脱な味わいがあり、本当に気持のいい音楽です。
演奏者もフランスのベテラン・ヴァイオリニスト、ジェラール・プーレをはじめ、フランス近現代を得意としたクリスチャン・イヴァルディのピアノなど、スター級の布陣です。薄型デジパック・ケースです。