ジュリアーノ・カレッラ（指揮）／イタリア国際管弦楽団、ブラティスラヴァ室内合唱団
ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ（テノール）、ダニエラ・デッシー（ソプラノ）
パオロ・コーニ（バリトン）、ミケーレ・ペルトゥージ（バス・バリトン）
マリーナ・ジョルジオ（ソプラノ）、リッカルド・リストーリ（バリトン）
録音：1991年7,8月、イタリア、マルティナ・フランカ音楽祭（ライヴ）
NUOVA ERA【ドイツ輸入盤】
ヴィクトル・ユーゴーの戯曲にもとづく歌劇「エルナーニ」は、あらすじはやや複雑なものの、一人の女性エルヴィーラを３人の男性が取り合うという他愛ものないストーリーです。没落した貴族ドン・ジョヴァンニが山賊の首領となりエルナーニと名乗って、スペイン国王ドン・カルロや貴族であるシルヴァ老人とエルヴィーラを奪い合い、最後は悲劇的な結末を迎えます。「ナブッコ」や「十字軍のロンバルディア人」に続くヴェルディの初期の名作で、初演も大成功であったものの、現在は人気はいまひとつで演奏機会も多くはありません。
このアルバムは、1991年のマルティナ・フランカ音楽祭でのライヴ録音で、通常カットされる繰り返しも行い、第２幕ではエルナーニのための追加アリアも含めるというヴェルディ・ファンを喜ばせる企画で話題になりました。近年オペラ指揮者として注目され始めたジュリアーノ・カレッラの指揮も良く、スッキリ見通しの良いアンサンブルで颯爽と演奏しており、ヴェルディにしては軽快で聴きやすく、「エルナーニ」の新たな魅力を引き出しています。キャスティングの歌手たちも実力派若手をそろえており、現在では世界の第一線で活躍しているイタリア最高のソプラノ歌手ダニエラ・デッシー、2011年に惜しまれつつ急逝したテノール歌手ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ、世界最高峰のベルカント・バス歌手と高い評価を受けているミケーレ・ペルトゥージなど、この録音の10年後には大歌手として花開く実力者ばかりです。良好なデジタル録音なので音質も良く、価格も安いのでオススメです。なお、対訳は付いておりません。デジパック・ケース。
