ジョン・エリオット・ガーディナー（指揮）／イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
モンテヴェルディ合唱団、ロンドン・オラトリー少年合唱団
アン・モノイエヨス、マリネッラ・ペンニッチ(Sp)、マイケル・チャンス(C-T)
マーク・タッカー、ナイジェル・ロブソン、サンドロ・ナグリア(T)
ブリン・ターフェル、アラステア・マイルズ(Bs)
収録：1989年5月、イタリア、ヴェネツィア、サン・マルコ大聖堂、110分（本編90分）
カラー／4:3／リニアＰＣＭステレオ、DTS5.1／リージョン・オール(Code:0)／NTSC
字幕：ドイツ語・英語・フランス語・スペイン語・中国語
ARCHIV【ドイツ輸入盤】
クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)はルネサンス音楽からバロック音楽への過渡期に活躍したイタリアの作曲家で、マントヴァ公国の宮廷楽長やヴェネツィアのサン・マルコ寺院の楽長を歴任し、ヴェネツィア音楽のもっとも華やかな時代の一つを作り上げました。マドリガーレ集などの世俗曲は生前より高い人気を誇り、後世からはモンテヴェルディは音楽の様式に変革をもたらした改革者とみなされています。また、モンテヴェルディはオペラの最初期の作品の１つである歌劇「オルフェオ」を作曲した人物としても知られています。「オルフェオ」は最初期の大規模な音楽作品ながら、その劇的なオーケストレーションは斬新かつ雄弁で、いまなお頻繁に演奏されています。それに続いて作曲された「聖母マリアの夕べの祈り」は、宗教音楽をほとんど書いていないモンテヴェルディならではの大胆かつ斬新な作品です。編成の大きさや様式の多様さ、名人芸的な器楽パートなど、どれをとってもルネサンス期にはなかった独創的でドラマチックな音楽です。その説得力に富んだ劇的で美しい音楽は、現代の我々が聴いてもやっぱり感動的。
コルボやクイケン、サヴァール、アーノンクール、ヘレヴェッヘなどこれまでにも数多くの名演奏があるなかで、作曲家ゆかりのヴェネツィアの聖マルコ大聖堂で1989年に収録されたガーディナー指揮の録音は、残響豊かな広大な大聖堂にふさわしい壮大なスケールと圧倒的な迫力をもつ名盤として有名なものです。ガーディナーが自ら創設して育て上げたイングリッシュ・バロック・ソロイスツとモンテヴェルディ合唱団も非常に純度の高い演奏をしており、表現意欲あふれた説得力の強いモンテヴェルディを再構築しています。全体にテンポは速めで歯切れがよく、リズムも躍動感にあふれ、かなりの長丁場にもかかわらず、メリハリの強い変化に富んだ熱演により最後まで緊張感を失いません。
ＣＤでも大人気のアルバムですが、ＤＶＤの映像により、モンテヴェルディが楽長を務めた聖マルコ大聖堂の細部や古楽器演奏・合唱団の様子も同時に味わうことができ、感動もひとしおです。特にビザンチン様式のモザイクや、バロック期のリコーダーや金管楽器、巨大なリュートといったピリオド古楽器の映像は、「聖母マリアの夕べの祈り」がお好きな方には必見といえるでしょう。ドイツ輸入盤ですが、リージョン・フリーなので通常のプレイヤーでご鑑賞いただけます。
